吸血鬼は日光に弱いから当然閉められていたカーテンの所為で、あまりの涼しさと暗さに、湿度は低いけど洞窟みたいだった。
これだけ涼しいと、一つの事がどうしても気になる。


「クーラーの設定温度、何度?」

「20℃」


……そりゃ、涼しい訳だ。
けど、地球環境に悪い。
地球が温暖化しちゃったら生きていけないのは、人間も吸血鬼も同じなんだよね。
Bloodyが暑がりなのは知ってるけど。


「……せめて、あと3℃くらい上げない?」

「まぁ、この部屋もかなり涼しくなったしな」


そう言ったBloodyはリモコンを手に取り、大人しくクーラーの設定温度を変えてくれた。
クーラーのモーター音が静かになる。


「…で、クーラーの設定温度を変えさせる為に、わざわざ俺の部屋に来た訳?」


……そうだった。
本来の目的を忘れるトコだった。



「頼まれた訳じゃないけど、Bloodyのトマトジュース、追加しといたよ」





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