「先生も手伝っていいか?」
「はい!もちろん」
園芸部の顧問は別に居たけれど、部員に指示だけして自分は職員室で別の仕事をするような人だったから、許可を得る必要もなかった。
そしてその日から岡澤は毎日のように私のところに来て、花の世話や草むしりを手伝ってくれた。
「あの……私S高を受験したいんですけど」
ある日、岡澤と並んでパンジーに水をやっていたとき……私は進路の相談をした。
S高を受験するのは私の学力では少し不安があった。
だから、頑張れば私でも行けると、担任である岡澤にはっぱをかけてほしかったのだ。
だけど……
「三枝の成績じゃちょっと無理かもしれないな……」
岡澤はそう言って渋い顔を作り、私の不安をあおった。