夜の街を走って、走って……そしてその途中で派手に転んだ。



「いったぁ……」



その拍子に脱げた靴を拾い、じんじん痛む足を見ると、こすれやすいかかとや親指の付け根から、血が滲んでいた。


足も、心も、どこもかしこも痛い。


そのまま地べたに座り込んで、冷たいアスファルトに溶けてしまいたいと思った。

たくさんの人に踏みつけられても耐えられる、その強さが羨ましい……


でも……人間がコンクリートになれないことくらい、私だって知ってる。


私は大きなため息をついて、両足とも脱いだ靴を手に持って歩き出した。


繁華街を裸足で歩く私を道行く人が変な目で見たけど、何も感じなかった。


他人になんと思われようと、今自分がとても惨めだということは、私が一番よく知ってる。


そのままふらふらと駅まで歩き、家に帰るため電車に乗った。