翌朝登校した私を待っていたのは、明らかににやついた顔をした有紗の尋問だった。



「ねえねえ、昨日はどこまで一緒に帰ったの?」


「……駅、まで」


「メアドは?ちゃんと交換した?」


「ん、したよ」


「ででで、どーなのよ千秋的に曽川先輩は!」



私は、上目遣いに有紗を見た。

そして、聞こえるか聞こえないかの声でぼそりと呟く。



「……付き合う……ことになった」



有紗が目をぱちくりさせる。

そして大きな口を開けたので、私は慌てて人差し指を唇の前に立てて「しっ!」と合図した。


周囲を確認した有紗が、私の耳元で言う。



「……だって…早くない?もちろん二人に上手く行って欲しいと思ったから昨日は誘ったんだけど……千秋、もっと慎重派かと思ったよ」



有紗の意見ももっともだ。

昨日初めて会ったばかりの人と付き合うなんて、今までの私ならあり得なかっただろう。