「渡瀬さん」
「わ、私は飛ばしていいです!早く土居くんと千秋に……」
「そういうわけにはいきません」
意見を却下された有紗は、拗ねたように唇を突き出していた。
でも、それは涙を堪えていたからだとわかったのは、それからすぐのこと……
「明るくて正直で、友達思いのきみはクラスの太陽みたいでした。きついバスケット部の練習もいつも楽しそうにこなしていて、体育館でも輝く存在でした。
その根性を今では勉強に注いでいて、成績もぐんぐん上がってきましたね。正直、始めは志望校のレベルをもっと落とすようにと言おうと思ったこともあったのですが、今は何も心配していません。
明るい笑顔を忘れずに、このまま目標に向かって頑張って下さい」
「……っ……はい……ありがとうございます……」
私は親友の涙にもらい泣きしそうになりながら、自分の番が近づいていることにドキドキもしていた。
私は、一体何を言われるんだろう……

