金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜


そうしているうちに、なんとなく心が落ち着きを取り戻して……

いい加減にもう、腹をくくらなきゃならないんだと、ようやく心に折り合いがついた気がした。


前に土居くんが、私は絶対泣くだろうと言ったけど、自分ではもしかしたら大丈夫なんじゃないかと思っている。


たくさん泣いたおかげなのか、今私の心は……


“先生を笑顔で見送りたい”


その気持ちで満たされている。



――――有紗と電車に揺られること数十分。

空港の最寄駅では、もう菜月ちゃん、土居くん、小林くん、杉浦くんが先に着いて私たちを待っていた。



「寄せ書きもお花もばっちりだよ」



菜月ちゃんが、持っていた紙袋を広げて見せてくれる。


私のリクエストしたプリムラがメインの、小さなアレンジメントと色紙が二枚。

なぜ、二枚なのかと言うと……みんな先生に伝えたいことが多すぎて、一枚ではおさまりきらなかったからだ。