「あ、千秋可愛い!」


「そうかな……自分では似合うと思わないんだけど」



お店の外で有紗とそんな会話をしたあと、これからどうする?という話になった。

有紗と先輩達はまだ遊び足りないみたいで、夕飯を食べるお店をどこにするか相談している。



「あの……私、先に帰ろうかな」



私ももっと遊んでいたい気もするけど、これ以上曽川先輩のそばにいたら、心臓がどうにかなってしまう。

今日のところは帰って、静かにこの気持ちと向き合いたい。



「誘ったの急だったもんね、じゃあご飯は三人で……」


「――――俺、送ってくよ。家どこ?」



有紗の言葉を遮って私の前に立ったのは、曽川先輩。


100%親切心で言ってくれているのはわかるけど……

私は一人になりたいんだってば!



「い、いいです!ここから駅までそんなに遠くないし、うちまでたったのふた駅なんで。先輩は有紗たちと楽しんで下さい」