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「ボランティア……恩田先生らしいね」


「だけど二年って……長いよ。それに恩ちゃんが私たちの卒業まで居てくれないっていうのもショック……」


「うん……きっと他のみんなもそう思うだろうね」



あの教室から、先生が居なくなる……

それってどんな感じなんだろう。想像しようとしてもできない。



「……ねえ」



私は、有紗たちに聞いてみたかったことがあって、言葉を発した。



「有紗と菜月ちゃんは、何か将来の夢がある……?」



二人は顔を見合わせて、それから有紗が先に口を開いた。



「……私、馬鹿だからなれるかわかんないけど、いちおう理学療法士の養成課程のある大学目指してる。部活引退したら予備校入って、死ぬ気で勉強するつもり」


「……知らなかった、有紗、そんなにちゃんと考えてたんだ」


「恥ずかしいから黙ってたの。前に部活で大きな怪我をした先輩がいて、その先輩をお見舞いに行ったときにすごく優しくてかっこいい理学療法士さんがいてさ。あ、女の人だよ?

それからなんとなく気になって、他にやりたいこともないし目指してみようかなって」



……すごいなぁ。


急に、有紗がきらきら眩しく見えてきた。

私にないものをつかんでいるのが羨ましくも感じる。