行き先は先輩次第と有紗は言っていたけど、先輩たちも特に目的地はないらしく、繁華街をただぶらついて、気になるお店に入ったりクレープを食べたりした。

胸がいっぱいで食べきれなかった私のストロベリーチーズケーキは、曽川先輩があっという間に完食してくれた。


その間接キスにときめいてしまったことは、私だけの秘密……



「――――あ、ここ見てもいい?」


帰りがけに有紗が入って行ったのは、小さな雑貨屋さん。

安くて可愛いアクセサリーが所狭しと並んでいて、店内は私たちのような女子高生でいっぱいだ。


……こういうお店、久しぶりかも。

ちょうど伸ばしかけの髪をまとめるシュシュが欲しいと思ってたんだよね。



「私も見てきていいですか……?」



曽川先輩にそう声を掛けると、意外な答えが返ってきた。



「じゃあ、俺も行く」