金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜


先生との恋に破れた経験があって。

だから先生に愛される私が羨ましくて。

しかも、その先生は優しい自分の弟で。

義理の妹にも新しい相手が居て……


完全にお姉さんの気持ちがわかるわけではないけれど、とっても寂しかったんだってことだけは伝わる。


お姉さんのしたことで私は傷ついたけれど、今こうして先生は私を選んで、隣に居てくれてる。

それが嬉しいから、私はお姉さんを恨んだりはしない。



「……もう、謝らないで下さい。私は、大丈夫ですから」


『千秋ちゃん……』


「でも、ひとつだけお願いがあります。小夜子さんの事情は、やっぱり私の口からは話せない……

お姉さんから先生に、伝えてもらえますか?」



私は、私のためにあんなに本気で怒ってくれた先生を信じてる。


だけど、自分の口から伝えるには、あまりに大きすぎることだから……



『――――わかった。秋人に代わってくれる?』