私はその場でラッピングを解き、中身を確認した。



「きれい……」



陶器でできた小さな宝石箱の中に施された、可愛い花のアレンジメント。

真っ赤なバラと、その周りを囲むオフホワイトの小さな花……



「白い花はスターチスです。素敵な花言葉なのですぐに不安になる千秋に贈りたいと思って」


「何なんですか?スターチスの花言葉って……」


「――――永遠に変わらない」



先生がそう言って、プレゼントごと私を抱き締めた。



「……スターチスはドライフラワーにして長く持たせるのもよく知られていますが、それではロマンチックさに欠けるし、僕の想いを伝えるにはプリザーブドフラワーにするのがいいと思ったんです。

……千秋に永遠の愛を誓うためにね」


「せんせ……」



なんだかプロポーズされてるみたいだ。

溢れた嬉しさが、涙となって頬を伝う。

間近に聞こえる先生の鼓動も、その言葉に偽りはないと証明するように速い。