有紗は私を落ち着かせるように背中を優しくなで、また涙が出てきてしまった私のためにカバンからタオルハンカチを出して、手渡してくれた。



「私が……悪いって…言われたの。拒絶しないから……勘違いしたって……っ」



ずっとセクハラされ続けたことより、私はその発言がショックだった。

もしかしたら本当に自業自得なんじゃないかって、自分を責めてしまいそうになる。



「……最低。千秋をこんなに傷つけておいて、開き直るなんて」


「うん……」


「っていうか、今まで気づいてあげられなくてごめんね?
……ずっと一人で抱え込んでたの?」


「………………」


「そっか……つらかったよね……ごめんね……」



有紗は悪くないのに……

相談しなかった私が悪いのに……

有紗は涙ぐみながら、何度も何度も私に謝った。