……悪いのは、私?


私がもっと早くに拒絶していれば、拷問は終わっていたの?


今まで黙って耐えてきた時間は、全部が無駄だったの?


どうして……一言“嫌”と言えなかったの―――…?



「……ま、今のお前の成績ならS高は余裕だろう。
もう今後こういうことはしないと約束する。その代わりお前も……このことは、誰にも言うなよ」



S高は、余裕……?

そんなの初耳だった。


私はもう何もかもが馬鹿らしくなって、岡澤に挨拶もせず進路指導室から立ち去った。


悔し涙がいつまでも止まらなくて、自転車置き場まで来たときにはひざから崩れ落ち、声を上げて泣いた。



「う……えぇっ……」










「…………千秋?」



そこに偶然通りかかったのが、当時から仲の良かった親友の……有紗だった。