恋をしたのは澤村さん


時計は17時を示し終業を教える。
ガタガタと帰宅の準備をしていく周りを見ながら今日は残業だなぁと一人ごちた。
18時になる頃には自分以外誰も残っておらずまだまだ帰れそうにもない書類の山を見てため息をついた。

「………もー何で私かなぁ」

こんな事務作業みたいなこと新入社員にでもやらせておけば良いのに、と思う一方きっと上司に頼まれごとをされてその場にないかったからなんだろうなと思う考えもあった。暗くなりつつある窓の外を見てため息を一つこぼした。

ついていない。
とにかくついていない。

このとき窓ガラスをコツコツと雨が小さく叩いていたことに気づいておけば良かったのに。