ねぇ…気づいてよ?

「俺が無理矢理しただけだから」


健斗は焦るわけでも、言い訳するわけでもなく、ただただ冷静だった。


「あ、そうなんだ」


優は遠慮ぎみに部屋に足を踏み入れ、重たい空気を変えようと頑張っていた。


「じゃぁゲームしよ!!」


ゲームか…
いまは そんな気分にはなれない。


俺はそれから、雫と一回も目を合わさなかった。



【圭太end】