いつも雫じゃなくて…優を優先していた。


優が悲しんでいるときは、そばにいてやりたいと思ったし、自分にとって損な役でも構わないと思っていた。


でも今は…
雫と健斗に、苛立っている自分がいた。


前に座っている優を見ると、おいしそうにケーキを食べていた。


それだけで心が温かくなるのに…二人を見ると一気に冷めていく。


俺はまだ、雫の気持ちに気づくはずもなかった。


【圭太end】