ねぇ…気づいてよ?

田島くん…もういいから…


声に出せない言葉を私は叫んだ。


心の中で何度も何度も…。



圭ちゃんは抵抗を一切せず、田島くんに掴まれている手を振り払おうとはしなかった。


「…なんとか言えよ!!」


田島くんは声を荒げて言った。


「………」


それでも圭ちゃんはなにも答えない。