ねぇ…気づいてよ?

私は柚ちゃんから廊下に視線を移すと、圭ちゃんが走ってくるのが見えた。


「圭ちゃ…」


「圭太くん!」


私の言葉をさえぎり柚ちゃんは圭ちゃんに抱きついた。


「えっ?どうした芝井」


「佐々本さんにぶたれたの…私はなにもしてないのに…」


「は?なに言って…」


「雫、本当か?」


柚ちゃんを抱きしめたまま、圭ちゃんが私を冷たい目で見る。