ねぇ…気づいてよ?

私たちはそれから、二人で少しおしゃべりをしながら時間を過ごした。


「佐々本、もう遅い時間だから送るよ」


時計を見た田島くんは席を立ち、女の人にあいさつすると私達は店を出た。


「あの…私は大丈夫だから」


「バーカ、こんな時間に女の子を一人で帰らせるわけにはいかないだろう?」


田島くんは当然と言うような顔で私の一歩先を歩いている。


「ありがとう…」


私も放っていかれないように田島くんについていく。