ブラック プリンセス Ⅰ 【完】




「うん、平気。」


私は動揺した心を
悟られないように
無表情でそう答えた。


「きゃっ。」


急に暖かいものに
包まれた。


「無理すんな。」


そう言って
隼人が私を抱き締めていた。


「無理してない。みんなが待っているから。早く行こ。」


私がそう言うと
隼人は黙って私から
離れて歩き出した。


私はおいていかれないように、
隼人についていった。