「な、なにすんだよ……」 痛みに呻きながら、よろよろと私から離れていく辻村くん。 「何すんのはこっちのセリフ!! 壁際に追い詰めるとか、この変態!!」 「変た……っ!?」 「それに、自意識過剰! 辻村くんの恋愛事情なんかどうでもいいもん! 私のことはほっといて!!」 「長谷川……っ」 私は、苦しそうにお腹を押さえながら私を呼んだ辻村くんを無視してくるりと踵を返し、路地を抜け。 痛い足を我慢して、駆け出した。