っていうか
見てたこと、バレてたのね。
「ちょっ、あんまりくっ付かないで」
リュウはあたしを抱き寄せながら、頬を頭に寄せてさらに密着して来た。
付き合ってもいない人とのカップルみたいなスキンシップに、どう反応すればいいのやら。
こんなにベタベタされたのは、今までで初めてかもしれない。
「夜はすっげぇ大胆だったくせに……今朝はやけに冷てぇのな」
うっ
「そ、れはっ……忘れて‼」
恥ずかしすぎて、この場から今すぐ消えたい。
「忘れるわけねぇし」
「………」
大人しくなったあたしを見て、リュウは肩肘を付いてそこに頭を乗せた。
もう片方の手は、あたしの頭を優しく撫でている。
そんな行為に心臓はドキドキしっぱなし。
「なんなら、もう一回キスしとく?」
イタズラッ子のようににんまり笑うリュウ。
そう言われて、思わず唇に目が行く。
「し、しませんっ!」
唇一つから漂う色気が凄まじくて、意識する内にどんどん顔が赤くなった。
「ムキになんなよ、冗談だろ?ウブな奴め」
クスッと笑うリュウの顔はすごく涼し気で、一人ドギマギしてると思うとなんだか悔しい。
これが女を落とすホストのテクニックってやつ?



