ギュッ 離れたいという願いも虚しく、拘束していた腕の力がより一層強まった。 ちょ、ちょっと〜! 規則的な寝息が聞こえるから、まだ起きてはいないらしい。 無意識に腕の力を強めるって…… どれだけ器用なの? と、とにかく 「リュ、リュウ……?」 遠慮がちに名前を呼んではみたものの、小さく唸っただけで起きる気配はない。 今、何時だろ 時計がないし、スマホも手元にないので時間を確認する術がない。 なにより、リュウに拘束されて身動きが取れない。