俺様ホストに愛されて



ポツンと取り残された空間には、空調の音がやけに響いていた。



スカッシュ系の爽やかな残り香が、リュウの存在感をありありと残しているけれど。



夢だったんじゃないかな……



いや、夢であってほしい。



そういえば!



この前お金払ってもらったのに、お礼言ってなかった。



色々あったせいで、そんなことすっかり忘れてた。



「はぁ……」



頭、痛っ。



いっぱい泣いたし、起きているのが限界かも。



また来るって言ってたけど

朝まで来ないよね?

何時に終わるんだろう。


ベッドの上にボスンッと寝転びながら、そんなことを考えた。



ふかふかのベッドは、そこら辺の安っぽいホテルのベッドなんかよりも随分寝心地が良くて


疲れ切っていたあたしは、すぐに夢の世界に堕ちていった。