俺様ホストに愛されて



泣いても泣いても、胸の痛みが消えることはなかった。



むしろ、もっと増したような気がする。



「お待たせ致しました。マティーニとレインボーシャワーでございます」



店員さんの声が聞こえても涙は止まらなかった。



「……妃芽、ちゃん?」



不意に名前を呼ばれて涙を溜めた瞳を上げる。



そこには驚いたように目を見開くヒロさんの姿があった。



な、んで……ヒロさんがここに?



一瞬わけがわからなかったけど、バーテンダーの格好をしているのを見てピンと来た。



ロズピって



『Rose Pink』のことだったんだ……。