俺様ホストに愛されて



どこをどう歩いたのか、ここがどこなのか周りの景色が歪んではっきりわからない。



市井さんに寄り掛かるようにして、千鳥足のまま必死に付いて行くことで精一杯だった。



「お、やってるやってる!空いてたらいいな〜!」



そんな声が聞こえて、俯かせていた顔を上げた。



ふわふわ宙に浮くような感覚がして、軽くめまいがする。



うう、飲み過ぎちゃったかも。



なんて今更後悔。



視界いっぱいに広がったピンク色の鮮やかなネオンは、どこか見覚えがあるような気もしたけれど。



座ってゆっくりしたかったので、思い出そうとする思考を無意識に停止させた。



カランカラン