はしゃぐ彼女の声に、呆れたように笑う太一の声。
ねぇ、ウソでしょ?
今日のお昼もあたしに電話して来たじゃん。
あれはなんだったの……?
「部屋行こっか。みゆとイチャイチャしたい」
「もー!タイ君ってば……毎日元気すぎるよ」
頭をなにかで殴られたような衝撃が走った。
もう信じられないと散々思って来たくせに、この期に及んでまだ太一のことを……。
浮気をしてても、太一はあたしを好きでいてくれてるなんて自惚れていた。
バカだな……あたし。
また騙されるところだった。
事前にわかって良かったじゃん、あのまま電話が鳴り続けてたら
きっとまた太一を許していたでしょ?
うんざりなんて言ったって
本当はまだ
どうしようもないくらい
太一が好きだと気付いた瞬間だった。



