電車に揺られて3つ目の駅で降りた。
利用者が多いこの駅は、降りる人が多いからいつももみくちゃに。
なんとか改札を抜けたあたしは、ここからすぐのアパートに向かって歩いて行く。
高校を卒業したと同時に地元を出て、一人暮らしを始めた。
太一が大学進学をこっちに決めたので、就職先を太一の大学に合わせて決めたんだ。
家賃がもったいないからって、同棲しようっていう話も出てた。
そんな矢先に発覚した太一の浮気。
あれからあたしは、一度でも心から笑えたことがあったかな?
太一といても辛くて
でも離れてても不安で
抱かれる度に
他のコにも同じようにしたのかなって
辛くて泣いてた。
でも、好きだったから
別れられなくて……余計に辛かった。
その度に泣いてたあたしを
太一は優しく抱き締めてくれた。
そんなの本当の優しさじゃないけど、あの頃のあたしには太一が全てだったんだ。



