「なにしてんの?」
「……っ」
気まずそうに目を伏せるだけで、なにも言おうとしない太一にイライラが募っていく。
「なにしてるかって聞いてるんだけど」
「それ、は……っ」
サラサラの黒髪から覗く大きな瞳が左右に揺れている。
明らかに動揺しているのがわかった。
しばらくすると太一は、下半身をタオルケットに埋めたまま、呆然とする女の子に背を向けてベッドの上で正座し始めた。
「……ごめんッ」
そう言って頭を下げる太一。
謝るくらいなら最初からするなよ。
いつもいつも、そうすれば許してもらえると思ってるところがムカつく。
「ねぇ、どういうこと⁉タイ君、彼女いたの⁉」
戸惑うような女の子の声が聞こえて、あたしは太一に向けていた視線をそっちに移した。



