あたしの言葉を真に受けてるの?
冗談だって普通ならわかるでしょ。
遠回しに無理だよって意味も含んでたんだけど。
通じてない?
話があらぬ方向に進んでいってるのを見て、開いた口が塞がらなかった。
「お前もうあれだな。いっそのこと、風呂入らねぇとか……歯を磨かねぇとか」
いやいや
いくらなんでも、それはやだ。
そこまで言ってない。
確実にヒロさんは楽しんでる。
冗談で言ってるのがわかる。
でも、リュウはその言葉を真剣に聞いてるし。
真に受けてるよ。
「やめて。そんなことされても迷惑なだけだよ」
リュウの横顔を真剣に見つめた。
その横顔がゆっくりあたしの方を向いて、キリッとしたリュウの瞳と視線が重なる。
大人の男性ってこうも色っぽいものなのかな。
太一とは全然違う。
力強くて抗えないような瞳。
また鼓動がトクンと鳴った。



