手を繋いでACQUAに戻って来たあたし達を、今度こそみんなが極上のスマイルで出迎えてくれた。
「いやー、良かった良かった。これでこいつも普段通りに戻るだろ」
フロアから少し中に入ったところで、イッキさんが満足そうに言った。
繋いでいる手を見て、表情が優しくなる。
とっさに離そうとしたけど、リュウがギュッと握り締めて来たので無理だった。
そういえば……。
「どうしてあたしの地元がわかったんですか?」
リュウにちらっと言った覚えはあるけど、家までわかるくらい詳細には言ってない。
それに、なんであたしが実家にいるってわかったんだろ……。
「あ〜、この前姫ちゃんの免許証拾ったでしょ?その時にちらっと見えたんだよ」
にっこり笑うイッキさん。
免許証……?
記憶を手繰り寄せてみるけど、身に覚えがあるようなないような。
あ‼
そういえば……。
市井さんと来た時に、そんなことがあったかも。
でも
あんな一瞬の内に暗記したっていうの?
す、すごいっ
「俺、昔から記憶力いいんだよね〜」
なんて自負してるけど、本当にその通りだと思った。



