「今日早く上がれるようにすっから、店で待っててくれるか?VIPルーム用意してるし」
VIPルーム。
「いいけど、いくらくらいするの?」
そんなにお金ないんだけどな〜。
なんて、シビアな問題に目を向けてみたり。
一応ニートなわけだし、そこまで贅沢は出来ないのです。
するとリュウはまたあたしから体を離して、怪訝な顔であたしの顔を覗き込んだ。
「んなこと気にしてんの?」
いや、気にするでしょうよ。
あたしがなにも答えないでいると、途端にリュウの表情が和らいだ。
「今日はイッキの奢りらしいぞ?亜希ちゃん達はもう既に飲んでるし」
「え……?亜希と大樹が?」
あれだけあたしを心配してたくせに
ちゃっかり飲んじゃってるわけね。
「イッキさんの奢りって……いいの?」
「あいつがそう言ってんだから、いいんじゃねぇの?どうせなら店で一番高いアルコール注文してやれ」
クスッと笑ってリュウはそう言った。



