だけど、そこはやっぱり聞いておきたい。
フッと笑った声が聞こえたかと思うと、リュウはあたしから体を離して真っ直ぐに目を見つめて来た。
ううっ、緊張する。
無造作にアレンジした茶色の髪の毛が、春風に揺られてなびいている。
前髪の隙間から覗く瞳はキリッとしてて
妖艶な色気も含んでいて、かなりドキッとさせられた。
「どれくらいって……言葉では表現しきれねぇ。けど、絶対手離したくねぇ。そんくらい、愛してんだよ……って、意味わかんねぇか」
目尻を下げて笑うリュウ。
その笑顔に胸がいっぱいになっていく。
「ううん、伝わったよ」
満面の笑みを浮かべてそう言った。
「そうか?なら良かった」
リュウはもう一度力強くあたしを抱き締めた。
「く、苦しいってばっ」
ぎゅうぎゅうと密着してくるリュウは、あたしの存在を確かめるように徐々に腕の力を強めて来る。
「離れてた分、愛情に餓えてんだよ」
なんて耳元でポツリと呟かれたら、もう反論なんて出来なかった。



