「謝る相手が違うだろ⁉俺に謝ってんじゃねぇよ」



「ごっ、ごめんなさい……うっ……ひっく」



あたしの目を見て謝るみゆちゃん。



本当に反省しているのか、はたまたリュウが怖いからなのか。

目から次々と涙が零れ落ちている。



「……もういいよ」



なんだか可哀想になって来て、あたしは泣き崩れるみゆちゃんのそばにしゃがみ込んで肩をポンッと叩いた。



細い肩が小刻みに震えていた。



しゃがみ込んだままリュウの顔を見上げる。



みゆちゃんに向けていた視線を太一に向けようとするリュウと、一瞬だけ目が合ったような気もしたけど


それはスーッとあたしを通り過ぎて、一直線に太一に向いた。



「てめえも……よそ見ばっかしてねぇで、てめえの女を一途に愛せよ」



その言葉に、不覚にもドキッとする。



見た目からして遊んでそうなリュウからは、想像もつかないような言葉。



だけど、本気でそう言ってるんだってことがわかる。



一途にあたしを愛してくれてたから。



今はもう嫌われちゃったかもしれないけど、付き合っていた頃は本当に幸せだったんだ。



「てめえの女がどんなもんか、てめえ自身の目で見抜け」



「それと……人の女の名前を二度と呼び捨てで呼ぶんじゃねぇ。今度呼んだら、ただじゃおかねぇ」



「まぁ二度と会うこともねぇだろうがな」



そう吐き捨てたリュウは、太一の胸ぐらを掴んでいた手をパッと離した。