リュウの言葉に疑問が浮かぶ。
全部、知ってるの……？
あたしがみゆちゃんに脅されたことや、太一があたしの元彼だってことを。
「やめて……下さい……」
みゆちゃんのか細い声が響き渡る。
「ああ⁉聞こえねぇんだよ‼はっきり言え、はっきり」
女だからって容赦無く怒鳴り付けるリュウの目は本当に怖かった。
「タイ君を……離して下さい……‼」
目に涙を浮かべながら、みゆちゃんは必死に懇願する。
太一は悔しそうにもがきながら、顔をしかめていた。
「てめえ、妃芽にしたこと忘れたわけじゃねぇよな⁉」
そう言って、みゆちゃんに凄むリュウ。
もう一方の拳にグッと力が込められるのを、あたしは呆然と見ていた。
このままの勢いだと、リュウはみゆちゃんにまで手を出してしまいそう。
「なにしたか、全部こいつにバラしてもいいんだぞ⁉そしたらお前、こいつに愛想尽かされるだろうな」
「ごめんなさい……っ。それだけは……」
その場に泣き崩れたみゆちゃんは、両手で顔を覆って肩を震わせ始めた。
