あたしの好きなリュウのキリッとした横顔。
胸が高鳴るけど、この状況に少し気まずさを感じる。
だって、太一は一応元彼なわけだし。
でも、それをリュウは知らないはず。
「好きな女を泣かせてばっかのてめえには関係ねぇだろ」
そう言って、リュウは太一の胸ぐらを掴んだ。
「うっ」
太一の体はリュウの片手で軽々しく宙に浮き、勢いで背中が扉に打ち付けられ小さく呻き声をあげた。
温かみのあるオーラは微塵も残されてなくて、凄まじい殺気に恐怖で背筋がゾッとする。
見たこともないようなリュウの姿に、足が竦んでそこから動けない。
そこにいた誰もが、リュウの圧倒的な威圧感のあるオーラに翻弄されていた。
「てめえの女がなにしたか教えてやろうか⁉」
ギロリと鋭い瞳をみゆちゃんに向けるリュウ。
みゆちゃんはバツが悪そうに目を伏せると、明らかにおどおどし始めた。



