みゆちゃんがあたしを気に入らない理由は十分わかる。
太一の気持ちが自分に向かないのが気に入らないのだろう。
だからって、ここまでする……?
写メを送りつけて来た犯人だって、あの時うやむやになったけど、この子だったわけだ。
いくらあたしのことが嫌いでも、それならもう関わらないでいてくれたらいいのに。
「あんたさえいなきゃ……みゆはタイ君と」
髪を持たれたまま奥へと引きずられる。
その場に座り込んだままの形で、ズルズル引っ張られた。
「本当に、それで幸せになれるの……?あたしさえいなきゃ、あなたはそれで満足なわけ?」
頭皮が痛いのを我慢して、あたしは必死にみゆちゃんに訴えかける。
聞いてもらえるなんて思ってない。
言葉が届くなんて思ってない。
だけど、言わずにいられない。
「違うよね……?あたしがいなくなったって、太一があなた自身を見ない限り心から幸せにはなれない」
あたしがいなくなれば幸せになれるなんて、そんなの絶対間違ってる。



