「なんで……あんたばっか……みゆの方が……愛されるはずなのに」
とうとう行き止まりになってしまい、部屋の奥の壁にトンッと背中がくっ付いた。
「な、なに言ってんの……⁉」
最早、あたしの言葉なんて耳に入っていない。
虚ろな顔で近付いて来る彼女に、あたしの鼓動は激しく騒ぎ立てた。
なんか、おかしい。
逃げなきゃいけないと頭ではわかっているのに、体が動かない。
「みゆのこと……好きって言ってくれたのに」
嘆かれる言葉を、あたしは静かに聞いていた。
「太一の奴……まだあんたを愛してる」
太一……が、あたしを……?
太一とこの子は未だに関係があるの?
太一のことを口走った途端、みゆちゃんの雰囲気が殺気立った。



