じりじり滲み寄って来るみゆちゃんに、あたしはゆっくり後ずさる。
実家に帰っていたことを、どうしてこの子が知ってるの……?
ブルッと身体が身震いする。
だけど、今はそんなことを言ってる場合じゃない。
なんとかこの場を乗り切るのが先だ。
「ヨリ戻そうとか……そんなんで戻って来たわけじゃないから」
後ずさりながらも、みゆちゃんの目をしっかり見つめた。
相変わらず表情はないけど、虚ろな瞳はあたしを捉えている。
「やっぱり……あんただけはどうしても許せない……あんたさえいなければ……」
あたしの言葉が耳に入っていないのだろう。
うわ言のようにそう繰り返すみゆちゃん。
「あんたさえ……いなければ‼」
距離を詰めて来ようとする彼女に、あたしはその分だけ同じように後ずさる。
その異様な迫力に押され、あたしはどんどん部屋の奥へと追いやられた。



