俺様ホストに愛されて



なんで……?


どうして、みゆちゃんがここに?



あたしはパイプ椅子に腰掛けたまま動けなかった。



みゆちゃんは、そんなあたしにお構いなしにゆっくり足を踏み入れる。



「あんたさぁ」



それと同時にみゆちゃんが言う。



あたしはそんなみゆちゃんの顔を見てギョッとしてしまった。



憔悴し切ったような虚ろな瞳。それは、最後に見た彼女の姿とは180度かけ離れていた。



視点が定まらない様子で、足取りもおぼつかない。



それは決して酔っているからとかではない。



「なに今さらノコノコ会いに来てるわけ?みゆが言ったこと、忘れたわけじゃないよね……?」



声に怒気は全く感じられない。嘆くように小さく言った後、虚ろなその瞳をあたしに向けた。



やつれたっていうか

死んだ魚の目をしてる。



希望や先の未来に絶望してしまったようなそんな顔。