そんなことを考えていると、ACQUAの扉の前に立つボディガードのタクさんの姿が見えて来た。
相変わらずの強面に大きなガタイ。
あたしの姿を見つけたタクさんは、軽く会釈をして口を開いた。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
今日は身分証見せずに素通り成功。
なぜか、初めてのはずの亜希と大樹も素通り出来てるし。
下へ続く螺旋階段を歩いていると、一番下の正面にあるリュウの顔写真が目に入って来た。
にこやかとは言えない写真だけど、久しぶりにリュウを見て胸が高鳴る。
ヤバイ、今になって緊張して来た。
うまく言えるんだろうか。
そもそも、なんて言う?
勢いだけで来たから、なにも考えてなかった。
「リュウ君の写真、めちゃ大きいね」
「こいつが妃芽の男?」
リュウの写真を見ながら2人が呟く。



