まだまだ怒りが収まらない様子の亜希は、運ばれて来たばかりのビールを一気に半分ほど飲んだ。
「お前、マジ男並みだな」
なんて大樹が言うもんだから、亜希は余計に憤慨しちゃって大変だった。
目の前にある刺身に箸を付けながら、重いため息を吐き出す。
お酒も料理も全然美味しくない。
なんでだろう、なんて問わなくてもその理由はわかってる。
リュウ……。
「本当は会いたいんだろ?」
大樹はウーロン茶を飲みながら、ちらりとあたしを見た。
騒がしくなり始める店内。
隣のテーブルでは、若い男女のグループがなにやら盛り上がっている。
会いたいかって
それはそうだけど。



