「ヒロさんの奥さん?だっけ?その狙われてる妊婦さんって。その女の親は仮にも大企業の会長でしょ?娘が犯罪に手を染めるようなことしたら黙ってないよ。親のスネかじってる甘えたちゃんなんだから、そんなことする度胸もなさそうだし……絶対ハッタリだって!」
自信満々に亜希は言った。
亜希がここまで言えるのも、亜希自身の親が会社を経営しているからだと思う。
「そうかな……⁉目が怖かったし、本当になにかやらかしそうなイメージだったよ?」
血走ってたし。
思い出しただけでゾッとする。
「絶対ハッタリだって‼っていうか、太一はなにしてるわけ⁉あいつのせいでこんなことになってんのに」
「まぁ、落ち着けよ」
怒りを露わにする亜希を見て、隣に座る大樹が苦笑いしながら宥める。



