わけが、わからない。
「脅されて、無理やり別れたんだろ?」
初めて見るイッキさんの真剣な顔付きに、鼓動がだんだん速くなっていく。
どうして、イッキさんがそれを知ってるの?
「違います……あたしの、意思です」
ここで認めてしまったら、リュウから離れた意味がない。
確信があってイッキさんがそう言っているんだとしたら、否定したって意味がないけど。
思わず手を後ろに回して、左手薬指の指輪を外した。
「それならさ、本人にはっきり理由言ってきっぱり振ってやってよ」
「え……」
深く突っ込まれるかと思っていたのに。
「姫ちゃんが自分の意思で別れたって言うなら深くは聞かない。それを信じるよ、言いたくないことがあるんだろうし。けどさ」
そう言って、イッキさんは悲しそうに笑った。
「あいつからしたら納得出来ないってわかるよね?」



