俺様ホストに愛されて



大樹に向かってコクリと頷いた後、真っ直ぐにイッキさんの目を見つめた。



「外行きませんか?」



「オッケー」



なんだろ、用って。

まさか、リュウに何かあったとか?

こんな遠いところまでわざわざ訪ねて来るなんて、何か悪いことでもあったんじゃないかって不安になる。



「ちょっと行って来る」


大樹にそう言い、イッキさんと外へ出た。



外はもう真っ暗。

前方にある車道を除けば、後方は見渡す限り山しかない。

街灯もところどころにしかないし、交通の便もかなり悪い。


車じゃないと不便な場所。



お店の駐車場には、またしてもそこに似つかわしくない真っ白なベンツが停まっていた。


それがイッキさんの車だということは、言われなくてもわかる。


白、好きなのかな……。