そんなことはねぇ。
絶対、お前の言う通りになんてなんねぇ。
なにがなんでも食らいついて、ナンバーワンホストになってやる。
そう思って俺は今日までずっとホストを続けて来た。
自由に働かせてやる代わりに、父親は住む場所だけは俺に決めさせろと言って譲らなかった。
あのマンションは父親が趣味で持つ所有物件。
そこに住めと言ったのはきっと、俺がなにか悪さをしないか赤坂に見張らせる為だろう。
今でこそ丸くはなったが、赤坂は父親の元ボディガードだった男だ。
小柄なくせに、武術に長けている。
何度やられたかは覚えてない。
ちなみにACQUAのボディガードのタクも、あの屋敷に仕えている使用人の一人だ。
これも父親が無理やり付けたもの。
俺の働きっぷりを監視する為だということはすぐにわかった。



