荒くなる吐息と、肌が重なり合う音。 耳をつんざく甘い声。 あたしならここまで甘い声は出せない。 疑ってはいてもどこか信じていた部分があって、実際に浮気現場に遭遇するのはかなりキツかった。 というよりも、ショックだった。 ここであたしが出て行けば絶対に修羅場になるだろう。 太一はあたしがどれだけ傷付いて苦しんで来たか全く理解していない。 謝れば許されると思ってる。 結局、許してしまうあたしも悪いんだけど。 でも、もう限界だ。 実際に突き付けられて、初めてそう思った。