ひとしきり泣き終えた後、のろのろとベッドから這い出たあたしは放心状態のままボストンバッグに荷物を詰めた。



リュウが帰って来るその前に出て行こう。



卑怯だけど、面と向かって別れを告げるなんてあたしには無理だ。



このまま一緒にいても、余計に離れられなくなるだけだから



なにも言わずに出て行きます。



約束、守れなくてごめんね。



リュウが過去の話をしてくれた時、小さく小刻みに震えてたよね。



あたし、気付いてたんだよ?



辛くないってリュウは言ったけど、それが強がりだってこと。



あたしは、リュウを守りたかった。



勝手に別れを選んだあたしを、許さなくていいからね。



どうか



あたし以外の誰かと幸せになって下さい。