だけど今日は
振り返って寂しそうに笑ったまま動こうとしない。
「リュ、ウ?」
どうしたの……?
悲しげにも見えるリュウの瞳は、真っ直ぐにあたしを捉えたまま。
「……いなくなったりしないよな?」
え
鼓動がドクリと鳴った。
「な、なに言ってんの……?」
なにか勘付いてる?
ううん、そんなはずはない。
「不安なんだよ……お前が離れて行くんじゃねぇかって」
弱々しくそう口にするリュウの顔を見て、息が止まりそうになるくらい胸が締め付けられた。
「あたし、ここにいるよ……?」
ここでリュウを安心させる言葉を言ってあげられなかった。
ずっと一緒にいるって
約束出来ない未来を、簡単に口にすることが出来なかったんだ。



