恥ずかしがるあたしを見るのが好きなリュウは、あの手この手であたしをドキドキさせて楽しんでる。
幸せなのに辛い。
涙を堪えるのに必死だった。
「最近はさ」
マンションのエレベーターの中で、突然口を開いたリュウの声に耳を傾ける。
「どうやったら幸せにしてやれるかって、そればっか考えてる」
その言葉に胸がギュッと締め付けられた。
真剣な瞳。
さっきみたいに意地悪な顔で言ってくれたら良かったのに。
「どこにも連れてってやれてなくてごめんな?来月連休取れるから、旅行にでも行くか?」
優しく穏やかな口調に、本気でそう言ってくれてることがわかる。
いつものように腰に手を回して来たリュウは、優しくあたしを引き寄せて頬にキスを落とした。
「俺としては、妃芽の実家に行って親に挨拶してぇけどな」
そう言ってぎこちなく笑ったリュウは、今度はあたしの唇に優しくキスした。



